旧明智平ロープウェイの搬器

 東武伊勢崎線の東向島駅の高架下に東武博物館があります。東武鉄道関連の実物車両や模型などが展示されています。鉄道がメインですがバスなどもあり、その中にポツンとひとつだけロープウェイのゴンドラが保存されています。以前何かのTV番組でその事を知り、いつか確認しに行きたいと思っておりました。保存されていたのは日光にある明智平ロープウェイの旧搬器(ゴンドラ)でした。

『日光の明智平ロープウェイは、全長300m、高低差86mの明智平〜展望台間を約3分で結び、華厳の滝や中禅寺湖、男体山を一望できます。1933(昭和8年)、日光登山鉄道により開業しました。戦時中に一時運行を休止しましたが、戦後東武鉄道と合併し、1950(昭和25)年に運行を再開。1985(昭和60)年に日光交通に営業が譲渡されました。このゴンドラは1950(昭和25)年に川崎車両で製造され、2001(平成13)年に現役を退きました。』博物館の説明文。

 細長い館内をグングンと奥まで進むと窓際にありました!ちゃんとハンガー部分も付いています。(バスが邪魔...)  保存状態がとてもきれいでビックリです。古い絵葉書では黄色い塗装でした。モンキーのイラストが可愛いです。

 中に入る事もできます。あんまりきれいなので古さを感じさせませんが製造プレートが古さを物語っています。

 ロープウェイはこのハンガー部分がないとやっぱり雰囲気がでませんよね。  古い電車と同じで角が丸いのがいいですね。

 古くなったロープウェイのゴンドラはかけ替えられると廃棄処分されるか、ロープウェイ駅の駐車場などに放置されてボロボロになっている事が多い。一応保存されている状態でも外に置いてある事が多いので雨ざらしにもなり車体は少しづつ傷んでいきます。なのでこんなきれいな屋内でちゃんと保存されているこのゴンドラは恵まれていますね。明智平ロープウェイは戦前に作られた数少ないロープウェイの一つで、戦争中に遊戯施設的なロープウェイは国から廃止撤去を命じられたのですが、明智平ロープウェイは戦後すぐに再開しました。その時のゴンドラがこれなんですね。なので2代目になります。現在は赤い3代目のゴンドラが明智平で動いています。

(2008年9月2日訪問)

 上は博物館に保存されている現役時代の様子。黄色い塗装だったようです。下は戦前の初代ゴンドラ。特徴的なかまぼこ型の屋根の建物は今でも残っています。

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