須磨浦ロープウェイ

 昭和の観光地の雰囲気がそのまま時が止まって残されているかのようなゴキゲンな場所、須磨浦山上遊園。レトロなロープウェイを求めて乗り歩いている自分にとっては最高のスポットでした。ココは関西在住の方にはとても馴染みがある場所のようで子供の頃連れてこられた方とかが多いみたいですね。ディズニーランドやユニバーサルスタジオのように「テーマパーク」というスタイルの遊園地が主流になってしまった今、逆に作り物で固められていない空間がとてもここちよい時間を与えてくれます。資料によると昭和32年9月18日開通。三線交走式で定員30人です。現在「ふんすいランド」といわれる場所は以前「ドレミファ噴水パレス」だったようです。

 三陽電車の須磨浦公園駅を降りると線路をまたぐ形でロープウェイの駅があるのが特徴的。普通バスや電車から降りても駅まで歩かされる事が多いロープウェイだが、ここはすぐにアクセスできてとても便利。のりばへ向かう階段の吹き抜けに、これまたレトロな看板がある。このまま残しておいて欲しいな。

 階段状の駅をあがってロープウェイに乗り込む時はいつもワクワクします。電車もキライじゃないので、真下に線路が見えるというのもたまりません。まずは「うみひこ」で上ってみました。

 途中に支柱はないタイプで急勾配をぐんぐん上がって行きます。そして「鉢伏山上駅」に到着。両方の駅に双眼鏡が設置してありました。これは観光用じゃなくて係員の方がそれぞれの駅の様子を確認するためにあるみたいです。例にもれずここの山頂駅からの眺めも最高でした。

 駅を出るとすぐにビュー・スポットがあります。目の前は海、左側には神戸の街が一望できます。そして景色よりも好きな横から見るロープウェイの駅の様子。さて、ここからさらに「カーレーター」という乗り物で上に行きます。昭和41年に作られたこの乗り物、乗り心地の悪さが有名でマスコミやネットでも多く紹介されてますね。こんなモノがまだ現役で残っていること自体がすごいですよ。これも絶対にこわさないで欲しい。へんにリニューアルとかも絶対しちゃダメです!

 無事カーレーターから生還できると目の前にこれまたレトロな建物が!昔のロープウェイの山頂にはきまってこんな感じの丸みのあるレストハウスなどがあったものですよ。ここは一階がレストラン、2階がゲームセンター、そして3階が回転展望閣という、床がゆっくりまわって360度景色が見れる施設です。この回転展望という施設も昔はあちこちにありましたよね。こんなモノが今でも動いてるなんて嬉しいじゃないですか。これも絶対に残しておいてくださいよ!4階は屋上で眺めは最高です。明石海峡大橋も良く見えます。さて、ここから観光リフトに乗って「ふんすいランド」まで行けるのですが今回の目的はロープウェイなので割愛しました。(おなじ索道でもリフトは興味ないんです。)

 下りは「やまひこ」で。神戸は海と山が近いから両方楽しめるんですね。搬器の名前の「うみひこ」「やまひこ」というのもそこからきてるのでしょう。目の前に青い海が広がりとても開放的です。交走式なので中間で「うみひこ」とすれちがいます。ロープウェイ・ファンにはこの瞬間がたまらない。

 そして「須磨浦公園駅」に到着。普通ロープウェイは駅に入る前かなり減速して慎重に入っていくのですが、ここのロープウェイは結構早いスピードのまま入って行きます。あと旧勾配のせいか駅に入る時に横揺れを防ぐためのキャスターが付いた足がすごく長いのもここの搬器の特徴だと思います。昔のロープウェイはこの赤と白の配色が結構多かったのですが最近は少ないですね。あとココのは横から見ると山を描いたような塗り分けも特徴的です。多分現在の搬器は2代目で昭和55年頃に架け替えられたのだと思います。塗装もはげているところがあり、メインテナンスしないのかな?と思って係員の方とお話をしていたら、なんと来年2007年の2月に新しい搬器にかけ変えるらしい。おおっセーフ!て感じ。自分のように東京在住だと滅多に来れないのでこれが最後のチャンスだったかもしれないし。時代の流れだからしょうがないが、できればあまりモダンな搬器を導入して欲しくないなあ。それと「うみひこ」「やまひこ」の名前ぐらいは残しておいて欲しい。

(2006年9月9日)

戻る
inserted by FC2 system