書写山ロープウェイ

 大阪で仕事があった自分は、翌日に姫路まで足を延ばして書写山ロープウェイを訪れました。JR姫路駅の前にあるバスターミナルから8番に乗り約30分。昭和33年に開業したところなので日本のロープウェイでも古い部類に入りますが、平成4年に現在動いている新しいロープウェイに架け替えられているので、自分が好きな昭和の面影はないのが残念ではありましたが、姫路市が一望できる景色は素晴らしく、従業員の方たちからも親切にしていただき楽しい時間を過ごせました。

 バスを降りると山麓駅がすぐです。駅からちょっと離れいる駐車場に売店がありましたが、駅の建物には飲み物の自動販売機のみです。近接の博物館に食堂らしき場所は見えました。  ここの特徴の一つが「はね上げ式桟橋」のホームで、駅の幅が通常より広くなっていて、キャビンが入ってくると両脇から桟橋のようにホームが下りてきてキャビンを固定します。

 山頂行きに乗ります。目の前にあるアパートに住めば毎日ロープウェイ観察ができます。11月でしたがまだ紅葉が残っていました。 ここは車掌さんの生のガイド説明があります。出発して間もなくすると山頂あたりにある支柱付近に反対側の搬器が見えてきます。

 そして反対側の搬器とすれ違います。この辺まで上がってくると本当は進行方向とは反対側のが景色がいいのですが、自分は上りの時はあくまでも前を見続けます。

 高さ25メートルの支柱を越えるとルートは水平になりすぐに山頂駅になります。右側にあるのが古いロープウェイの駅舎跡で、現在でもそのまま使われている展望台の建物も見えます。

 ホームの幅がキャビンより広めなので、極端に減速せずに入って行けます。新しいロープウェイによくある簡素な駅舎の造りです。  そして到着です。右の赤いフェンスのところが桟橋式のホームが下りているところです。

 山頂駅舎から坂道を隔てた別の建物のところに機械室があるのが変わっています。  古いロープウェイの駅舎の一部でもあったと思われる展望台。丸みのあるデザイン。ここだけは昭和の雰囲気がします。

 今度は反対側の搬器で山麓へ向かいます。  安全索道製で71人乗りの車内。

 出発してほぼ水平な感じで支柱まで進み、支柱を越えると角度が急になり下っていきます。姫路市街地が見渡せる眺めが最高のビュースポット。天気が良ければ淡路島や小豆島も見る事ができます。

 姫路城は左上の小高い山の向こう側にちょうど隠れていて見えないそうです。  反対側の搬器と交差。交走式ロープウェイの一番好きな瞬間です。

 山麓駅のすぐそばに山陽自動車道が通っています。左側の小さな建物は初代ロープウェイの駅舎の一部だそうです。古いロープウェイが稼働している時に、横に現在のやつを建設して、開業と同時に古い方を廃線にしたそうです。

 そして山麓駅に到着です。ホームはこれから上るお客さんでいっぱいでした。乗客が多い時は臨時便がでるようです。

 山麓駅の待合室に書写山ロープウェイの工作が展示してありました。右から初代キャビン、二代目、現在の三代目です。ちゃんとガイドさんの人形がいるのが素敵です。  山麓駅から歩いて15分ぐらいのところにある真愛幼稚園の敷地に2代目のキャビンが倉庫代わりに利用されて残されていました。写真を撮らせて欲しいとお願いしたら心よく許可してくださいました。

(2010年11月24日)

  自分の様にその日に何度も乗っていると従業員さんたちに注目される事が多く、この日もみなさんがとても親切にしてくださいました。ビデオ撮影するのに自分一人しか乗っていなくてもガイド説明をしてくれたり、「鉄道データファイル」で古い搬器がどこかの幼稚園にあるのを知っていたので場所を訪ねたら、わざわざ地図まで用意してくださいました。ロープウェイ事体の魅力もさることながら、そこで働いているみなさんの優しさが何よりも嬉しかったりします。

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ちなみに「鉄道データファイル」274号に書写山ロープウェイの詳しいデータが載っています。
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