大平山ロープウェイ

 九州の佐賀で仕事を終えた自分は次の日、山口県の防府市へ移動。JR防府駅から9時22分のバスに乗り18分ぐらいでロープウェイ山麓駅に到着。昭和34年に開業した3線交走式のロープウェイは、昭和の雰囲気が残るロープウェイを求めている自分には申し分のない満足のゆくところでした!

 バス停、もしくは駐車場から坂道を少し登って行くと山麓駅が見えてきます。この駅舎のデザインがいかにも昭和30年代の建築で最高です。駅の横に動物の檻があり孔雀が2羽いました。従業員の方に伺ったら、以前はサルや鹿、その他いろんな小動物が飼育されていたそうです。市民のレジャースポットとして活気があった頃のなごりでしょう。

 この看板のレトロ感がタマリマセン!きっと開業当時からそのままなのでしょう。この雰囲気は新しく作ったモノでは絶対に出せません。ステキです!間違っても新しい看板なんかにしないで欲しい。  チケット売場も最近は自動販売機が多くなってきましたが、やっぱり窓口のが趣があります。防府市が営業しているので市民にもっと親しんでもらおうと年間パスポートが3000円で発売されています。

 そして改札口。このたたずまいが最高です。一般的にバリアフリーが進んだ現在では不向きなのですが、自分はこの階段ホームが大好きなんです。最近のロープウェイはこんなコンクリートでがっちりしたホームを作ったりしなくなりました。やはりロープウェイのホームはこのどっしり感がないとダメです。

 まずは2号車の「あさぎり」で山頂へ向かいましょう。どーです、この搬器!平成元年製ですが昭和30〜40年代のロープウェイで一番オーソドックスだったデザインです。個人的にはこの形が好きなのですが、どこも搬器交換などでどんどん姿を消しているのも事実。だんだん希少になってきます。またこの朱色とクリームのツートンカラーの配色がタマリマセンよ。これこそ「昭和のロープウェイ」という感じです。

 車掌さんがちゃんと乗り込むのでガイド案内もあります。(これが録音だとがっかりです。)毎秒3メートルとちょっと普通より遅めの運転で6分かけて登って行きます。しばらくすると1本目の支柱に差しかかります。

 支柱を越えてしばらくすると反対側の搬器と交差します。普通のお客さんは山麓側の窓から見下ろせる景色を楽しみますが、自分はこの交差する瞬間を決して見のがしません。山頂にはYAB、TYS、FM山口、NHK、KRYの電波塔が並んでいます。

 そして2本目の支柱を越えると間もなく山麓駅が近付いてきます。駅の下にある丸い植え込みはツツジで、付近には10万株も植えられているそうで、地元の人は山が赤くなるのを見ると訪れて来るそうです。5月の中旬頃が見頃のようです。

 搬器が減速してホームの溝に入って行く瞬間も大好きです。底の誘導輪が両側に当たってゴトゴトいうあの感じがいいです。新しいロープウェイだともっとスムーズに入れる最新の桟橋式ホームというのがありますが自分には何の魅力もありません。やっぱりこのコンクリートのホームじゃないとダメです。そして山頂駅に到着!

 いつもそうですが、展望台から見る景色よりも山頂駅のホーム越しに見る風景が一番好きです。眼下に防府平野が広がっています。まん中の丸い池はなんとゴルフ練習場でした。池に落ちたボールはどう回収するのでしょう?

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