「ひかりのくに」昭和38年第11号

 「ひかりのくに」は「キンダーブック」などと同類の幼児向けの絵本で、これは昭和38年11月発行で「もんたともんきちのえんそく」という内容の号でした。動物たちの遠足の様子が描かれています。 まず遊覧船で池を渡り → バスで山を上り → 展望台で景色を見て → お弁当を食べ → ロープウェイで下山して → 電車で帰る という流れになっています。普通ロープウェイは山を上る方に使われるイメージがありますが、この本では帰りに下りる方に乗る設定になっています。絵は馬場のぼる、文は山尾清子。ロープウェイの絵はやや大雑把な感じもしますが、楽しい雰囲気が出ています。昭和38年というと、まさにレジャーブームの頃で、まだロープウェイが夢のある乗物だったので、子供たちの遠足でも人気があったのではないかと察します。

 最初のページに、もんたともんきちがたどる遠足ルートの地図が描かれていて、そこにも左側にロープウェイがあります。子供の頃、こういう絵をいつまでも眺めていたような気がします。ロープウェイのページは循環式のようですが、こちらの地図の中のロープウェイは交走式のようにも見えます。

「ひかりのくに」第18巻 第11号

昭和38年11月1日発行

ひかりのくに昭和出版株式会社

定価 60円

(2016年2月7日掲載)

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