アタミロープウェイ

 朝の10時頃に目が覚めたので、今日はかるく熱海へ出向くことにしました。かるくと言っても、実はここが僕のロープウェイ好きの原点でして、幼少の頃熱海後楽園によく連れてきてもらったんです。あらためて見ると、とても小規模なロープウェイなんですが、初めて自分が意識したロープウェイなので、ここが僕にとって、そのイメージの基本形なんですね。

 JR池袋の駅に入ると小田原行きがすぐ来たので、それに乗って小田原で熱海行きに乗換えた。熱海駅で向い側のホームに東京行きの古い車両が停まっていた。子供の頃乗った湘南電車はこういう感じだった。今のステンレスの電車より雰囲気が温かくて好きだ。熱海駅から後楽園行きバスに乗り到着。搬器は僕が子供の頃とは全然違うが、駅の雰囲気はほとんど変わっていない。往復券500円を買いさっそく乗る。

 ガラス張りのスケルトンチックな搬器。3線交走式で最大乗車人員31人。約100mの高さを2分半で登ります。数日前に筑波山のロープウェイに乗ってきたので、なおさらこじんまりと感じる。乗務員のおねえさんがいましたが、ガイドは録音でした。

 反対側の搬器と交差します。平日の3時すぎなのでガラガラ。山頂の駅が見えてきました。「秘宝館」の文字が妖しい観光地の雰囲気を盛り上げてくれます。僕はこの階段ホームの間をゆっくり入っていく時が大好きです。僕はロープウェイの駅を思い浮かべる時、車止め用にタイヤをぶら下げてあるイメージが昔からあったのですが、やっぱりここの駅を見て覚えていたんですね。

 あっという間に山頂に到着です。降りて左側へ行くと愛情岬と名付けられた展望台があります。海と熱海の温泉街がよく見えます。後楽園も高いビルが建ち、様子が変わってました。昔あった大きな観覧車はもうない。

 駅には厳密なさくがないので、遠慮ぎみにホームに入りロープウェイを眺めたり写真をとったりしていました。山頂の駅も子供の頃とほとんど変わっていないようで嬉しい。

 多くの場所がそうであるように、ここも山頂ではさほどやることがないので、すぐに下りに乗りました。勾配もそれほど急じゃないので、駅の階段もわりと緩やかです。

 小規模な事もあり、往復500円だったので今日は3往復しました。やっぱり乗務員のおねえさんに「この人っていったい?」て顔されちゃうのね。なんせ着いたのが3時過ぎだったので、だんだんと日が暮れてきて、帰る頃には山頂駅の秘宝館のネオンが輝いていました。

 僕が子供の頃、頂上は一時期「爬虫類館」だったと記憶する。ロープウェイにヘビやトカゲの絵がラッピングされていたのがイヤだった覚えがあるからだ。そしてしばらくして秘宝館になってそのまま現在にいたっている。10数年前に一度入った事があるので今日はいいやと思ったのだが、今度何時来るかわからないので、3度目に上がった時に入ってみた。中は撮影禁止なので画像はないが、どのみちホームページに載られないっす。ほとんど中の展示も昔のまんま。チープさとアホさが溢れていて嫌いじゃないが、こういうのは友だち数人とワイワイ騒ぎながら明るくひやかすもので、一人で見るもんじゃないですね。ロープウェイだけ乗ってればよかったです。ハイ!

(2005年11月7日)

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