空中ケーブルカー

 熊谷信夫氏著書の「ブリキのオモチャ」(グリーンアロー出版社)にも載っているおもちゃで、その本の資料によると昭和40年から42年頃に製造されたらしい。小さな小屋にモーターが内臓されていて、ゴンドラ1台を行き来させることができます。ゴンドラの大きさは本体が横約15cm、縦約9cm、幅約9cm。上のハンガーの高さが約11cmとわりと大きめの作りです。単1電池2本が入る電池ボックスにボタンがついている。動いている間はベルがリンリン鳴り続けてちょっとうるさい。ゴンドラは片側の扉がちゃんと開く。付属品に乗客の紙人形がついていて中に乗せることができます。ゴンドラに対して駅の小屋の比率がかなり小さいが、ドイツのリーマンという会社のロープウェイのおもちゃで同じように小屋が小さい商品があるので、もしかしたらそれを参考にして制作されてるのかもしれない。

 箱の正面右下に(T.N)のマークがあるので野村トーイですが、この野村トーイにはもう一つ別のロープウェイの商品があります。また、この箱の左横下には(SHOWA)のロゴもある。やはり熊谷の著書でしらべると、それは昭和工業Mのマークで、その代表者の名前が野村敏朗というので野村トーイと関係がありそうである。

 さて、このおもちゃには2種類のセットがあり、基本的には同じなのだが、ロープウェイの上のハンガー部分が取り外せる物と固定されているものがあります。よって箱の大きさも倍ぐらいちがう。左上の画像では一見すべて納まりそうであるが、小屋もあるので実際にはハンガーを外さないと納まらない。またどちらも、箱の横には取り扱いの説明文と図が載っていますが、小さい方は英語、大きい方は日本語で書いてある。なので小さい方はおもに輸出用だったのではないかと察する。コンパクトに輸送できるようにという配慮だったのではないか?

 そして電池ボックスも、小さい箱の方はプラスチック、大きい箱の方はブリキ製でした。この頃のおもちゃはブリキからプラスチックへの転換期なので、この商品の製造期間中にプラスチックになったのかもしれない。

 左側がナットで留めるタイプ。右側は固定されて取り付けてあるタイプ。個人的にはボルトの棒が突き出てるのは見栄えが悪いので、固定されている方が好きです。

付属の乗客用の紙人形。みんな外人風である。

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